生首に聞いてみろ 法月 綸太郎 角川書店 2004-09 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ずーっと積読状態だったのを遂に消化。
とっくの昔に文庫版も出ていますが。
非常に面白かったです。
事件がごろごろ転がる(結構振り回される)割に分かりやすい起伏はあんまりないというか、わりと同じようなテンションで進んでいったような気はするのですが、物語にぐいぐい引き込まれていきました。
救いのない話ですが、薄っぺらさがなかったですね。この物語運びに相応しい重みがあったと思います。
アクロバティックなトリックはないですが(いやまぁあると言えばあるのですが)、ラストにはしっかり衝撃と納得感を与えてくれましたし。
とても良い新本格派でした。
うん、満足。
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全体的に厭な感じ。
と書くと身も蓋も無いけど、全篇通じて、根底に「なんとなくやな感じ」があるような。
8つの物語が収められていますが、トーンは同じ。
一番厭だったのは「下の人」。
自分のベッドの下にもいたら、、、とか考えちゃうともうたまんないです。
そして、「十万年」の主人公の思考が物凄く私に馴染みました。人とは分かり合えない、自分という枠を外してみたい、というのは私の中にずっとあるものなんですよね。
なので、これは「幽談」というよりも「思想」として読んだかな。
すっと読めるけど余韻を引き摺る、そんな物語たちでした。
短編集。というか掌編集?ショートショートっぽいのもあったり。
「屈辱のかたち」の絶望感にぐっときました。
全体的には非常にさらっと読みやすいのですが、さらっとしすぎてちょっと物足りないかなぁ。
もうちょっとひっかかりが欲しかった気もします。